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簿記3級合格後のキャリアパス総まとめ|次に目指すべき資格と転職先を公認会計士が徹底解説

Sato|元・大手監査法人公認会計士が教える会計実務!

Sato|公認会計士| あずさ監査法人、税理士法人、コンサルファームを経て独立。 IPO支援・M&Aを専門とし、企業の成長を財務面からサポート。 このブログでは、実務に役立つ会計・税務・株式投資のノウハウを分かりやすく解説しています。

こんな方におすすめ

  • 簿記3級の次に何を目指すか悩んでいる方
  • 簿記2級と転職のどちらを優先すべきか迷う方
  • 経理や会計事務所の仕事内容を知りたい方
  • 未経験から会計業界へ転職したいと考えている方

目次

はじめに:簿記3級合格おめでとうございます!あなたの旅は「記録者」から「ビジネスプロフェッショナル」へ

まずは、日商簿記3級の合格、誠におめでとうございます。この資格取得は、単に試験に合格したという事実以上に、あなたが「ビジネスの言語」を習得したという大きな意味を持ちます 。これは、あらゆるビジネスキャリアの土台となる、極めて価値のあるスキルです。  

しかし、多くの方がここで一つの大きな問いに直面します。「さて、次は何をすればいいのだろう?」と。この問いに対する答えは、あなたの将来のキャリアの方向性を決定づける、非常に重要な戦略的判断となります。

この記事では、公認会計士の視点から、簿記3級という強力な武器を手にしたあなたが次に進むべき3つの戦略的な方向性を、具体的なデータと実務的な視点を交えて徹底的に解説します。

  1. 深さ(DEPTH): 会計の専門家として、知識をさらに深く掘り下げる道。
  2. 広さ(BREADTH): 専門領域を広げ、包括的な金融アドバイザーを目指す道。
  3. リーチ(REACH): 活躍の舞台を世界に広げ、グローバルなキャリアを築く道。

この記事を読み終える頃には、あなたは自身の目標や適性に最も合った道を、確信を持って選択するための明確なフレームワークを手にしていることでしょう。

第1章:専門性への王道 ― 簿記2級を極める道(DEPTH)

1.1 「ルールを知る者」から「ゲームを動かす者」へ:3級から2級への決定的な飛躍

簿記3級の合格は、あなたが会計の基本的な「文法」を理解していることの証明です。しかし、簿記2級は、その文法を駆使して、より複雑なビジネスの「文章」を読み解き、作成する能力があることを示します。この差は、採用担当者の目には「育成が必要な人材」から「即戦力として期待できる人材」への大きな変化として映ります 。  

この飛躍を象徴するのが、2級から新たに追加される「工業簿記」です 。3級で学んだ「商業簿記」が、完成品を仕入れて販売する小売業や卸売業の会計であるのに対し、「工業簿記」は、原材料を仕入れて製品を「作る」製造業の会計を扱います 。これは、日本経済の根幹をなす製造業全体の財務を理解するための鍵となります。  

1.2 【公認会計士の視点】原価計算の真の力:なぜ工業簿記は「経営者マインド」を育てるのか

多くの受験生が、工業簿記の中核をなす「原価計算」を複雑な計算問題と捉えがちです。しかし、会計のプロフェッショナルは、これを経営戦略の根幹をなす思考トレーニングと見ています。

身近なパン屋を例に考えてみましょう。

  • 商業簿記(3級)の世界: 「小麦粉を100円で仕入れ、パンを300円で売った」という取引を記録します。
  • 工業簿記(2級)の世界: パン1個を作るための「正確なコスト」を計算します。これには、小麦粉などの「材料費」、パン職人の給料である「労務費」、そしてオーブンの電気代や減価償却費といった「経費」が含まれます 。これが製品の「製造原価」です 。  

この「パン1個あたりの原価」という一つの数字が、経営者が以下のような重要な意思決定を行うための基盤となります。

  • 価格設定: 「スーパーのパンに対抗するため、このパンを250円で販売しても利益は出るか?」  
  • 収益性分析: 「クロワッサンとバゲット、どちらがより儲かっているのか?今後どちらの生産に注力すべきか?」  
  • コスト管理: 「電気代が上がっているが、パン1個あたりの利益にどれくらい影響しているか?より効率的なオーブンに投資すべきか?」  

簿記2級の学習は、単に難しい試験に挑戦することではありません。それは、思考のパラダイムを根本から変えるプロセスです。3級が過去の取引をルール通りに記録する「過去志向」の記録係の視点であるのに対し、2級の原価計算は、予算策定、価格設定、効率改善といった「未来志向」の意思決定に必要なデータを提供する能力を養います 。この学習を通じて、あなたは単なるデータ入力者から、経営層と対話できる戦略的パートナーへと進化するのです。これこそが、企業が簿記2級取得者により高い報酬を支払う、隠れた価値なのです。  

1.3 具体的な報酬:簿記2級があなたの年収に与えるインパクト

簿記2級を取得する「なぜ」を理解したところで、次はその具体的な報酬、つまり金銭的なメリットを見ていきましょう。このセクションでは、複数の信頼できる情報源を基に、YMYLコンテンツとして求められる客観的なデータを提供します。

簿記2級取得者の年収は、実務経験、年齢、そして所属する企業の規模によって大きく変動します 。以下の表は、これらの要素を考慮した年収の目安を統合したものです。  

表1:日商簿記2級取得者の想定年収マトリクス(年代・経験年数別)

経験年数20代30代40代
未経験300万円~350万円320万円~450万円350万円~
1~3年300万円~500万円350万円~600万円600万円~
3年以上350万円~500万円400万円~650万円600万円以上

注: 上記の金額はあくまで一般的な目安です。上場企業や外資系企業などの大企業では、これよりも高い水準になる傾向があります。例えば、上場企業の経理職では年収500万円~800万円、外資系企業では年収500万円~1000万円といった求人も存在します 。簿記2級は、こうした高待遇のポジションへの挑戦権を得るための重要なパスポートとなるのです。  

第2章:視野を広げる ― ファイナンシャル・プランナー(FP)の世界(BREADTH)

2.1 視点の転換:企業のバランスシートから個人のライフプランへ

簿記とFPの最も大きな違いは、その対象にあります。簿記が「企業」の財務健全性を扱うのに対し、FPは「個人や家族」の経済的な健全性を扱います。FPの学習範囲は、保険、金融資産運用、税金(タックスプランニング)、不動産、相続・事業承継といった、人生のお金に関わる6つの分野を網羅します 。  

FP技能検定3級は、簿記2級と比較して合格率が高く、挑戦しやすい資格とされています 。試験は「日本FP協会」と「きんざい(金融財政事情研究会)」の2つの機関が実施しており、学科試験は共通ですが、実技試験の内容が異なります 。一般的に日本FP協会のほうが合格率が高い傾向にありますが、これは個人の学習者が多く受験するのに対し、きんざいは金融機関などの団体申込みが多く、受験者層が異なることが一因と考えられています 。プロフェッショナルとして活動するにはFP2級の取得が標準となりますが、3級はその優れた入り口と言えるでしょう。  

2.2 【公認会計士の視点】簿記×FPの相乗効果:経営者の究極のアドバイザーになる

多くの情報サイトが簿記とFPの相性の良さを指摘していますが 、その真の価値は、両方の知識が組み合わさった時に生まれる圧倒的な実務的シナジーにあります。  

ケーススタディ:ある中小企業のオーナー経営者

あなたのクライアントである、成功した製造業のオーナー社長が相談に来たとします。

  • 簿記2級の知識だけを持つあなた: 会社の財務諸表を分析し、原価低減策を提案し、法人税の申告書を作成することができます。これは非常に価値のあるサービスです。
  • 簿記2級とFP2級、両方の知識を持つあなた: 上記のサービスに加えて、以下のことが可能になります。
    • 社長個人の所得税を最小化するために、役員報酬と配当のどちらで受け取るべきかをアドバイスする(タックスプランニング)。
    • 会社の利益を原資に、社長個人のための老後資金形成ポートフォリオの構築を支援する(金融資産運用)。
    • 会社が費用負担する生命保険を設計し、社長に万一のことがあった際の家族の生活保障と、事業が滞りなく継続できるための資金を確保する(リスク管理と事業承継)。
    • 将来、子供たちへ事業を引き継ぐ際に、相続税の負担が最小限になるような計画を立案する(相続・事業承継) 。  

簿記資格はあなたを有能な「企業の会計担当者」にします。FP資格はあなたを知見豊かな「個人の資産アドバイザー」にします。そして、この2つを組み合わせることで、あなたは「中小企業オーナーのための包括的な事業・資産コンサルタント」という、唯一無二の存在へと昇華するのです。

日本企業の99%以上は中小企業であり 、そのオーナーにとって会社の財産と個人の財産は密接に結びついています 。企業の大きな経営判断は、即座に家族の資産に影響を与えます。この両側面を深く理解し、一体的なアドバイスを提供できる専門家は、二人の専門家を雇うよりも遥かに大きな価値を生み出します。それは単なる「記帳代行」や「確定申告」といったサービス提供者の関係を超え、クライアントの生涯にわたる事業と資産を守る「信頼できるパートナー」としての地位を築くことを意味します。  

第3章:グローバルな機会を掴む ― TOEICの戦略的価値(REACH)

3.1 「英文経理」の世界を覗く

「英文経理」と聞くと、日本の会計処理を英語に翻訳するだけの仕事だと思われがちですが、実際はそれよりも遥かに専門的でダイナミックな業務です。

主な業務内容としては、海外の親会社へのレポーティング、外貨建て取引の管理、そして海外拠点との日常的なコミュニケーションなどが挙げられます 。  

さらに、英文経理の重要な挑戦は、異なる会計ルールへの対応です。多くのグローバル企業は、日本の会計基準(JGAAP)とは異なる、IFRS(国際財務報告基準)やUS GAAP(米国会計基準)を採用しています 。これらの基準に基づいて財務報告を行うためには、単なる語学力だけでなく、国際的な会計知識が不可欠となります。  

3.2 スコアの解読:TOEICスコアが拓くキャリアの扉

会計専門職にとって、TOEICスコアは単なる英語力の証明ではなく、キャリアの可能性を段階的に解き放つ鍵となります。

  • 600点以上:最低限の入場券 海外との簡単なメールのやり取りや、英文資料の読解が可能と見なされるレベルです。海外に拠点を持つ日系企業の求人で、応募条件として提示されることが多くあります 。  
  • 730点以上:「ビジネス遂行可能」レベル 英語での会議に参加し、より複雑な内容のコミュニケーションをこなせるレベルです。国際的な業務を担当するポジションの求人で、歓迎要件として頻繁に見られるスコアです 。  
  • 800点以上:「ゴールデン・チケット」 高い英語運用能力を持つ人材として、外資系企業などの高待遇なポジションへの有力な候補者となります。最も魅力的なキャリア機会への扉を開くスコアと言えるでしょう 。  

3.3 【公認会計士の視点】「黄金の組み合わせ」:なぜ簿記2級+TOEIC 800点以上は最強なのか

転職市場において、「簿記2級」と「TOEIC 800点以上」という組み合わせが、なぜこれほどまでに高く評価されるのでしょうか 。  

その理由は、英語ができる経理担当者に支払われる高い給与が、単なる「語学手当」ではないからです。それは、より複雑で、よりリスクの高いグローバル金融システムの中で活動するための対価なのです。TOEICスコアは、その高価値なエコシステムへのアクセス権を証明するものです。

グローバル企業は、国境を越えて事業を展開し、為替変動、国際税務、そしてIFRSやUS GAAPといった統一基準での連結財務報告といった複雑な課題に日々直面しています 。その中で、日本法人の経理担当者は、日本のローカルな会計要件と、グローバルな報告基準の両方を理解し、その間を正確に「翻訳」する、極めて重要な結節点(ノード)の役割を担います。このポジションの報告一つが、グローバル組織全体の財務や法務に重大な影響を及ぼす可能性があるため、その責任は計り知れません。  

だからこそ、企業は「簿記2級」で証明される高度な会計技術と、「TOEIC 800点以上」で証明される、このハイリスクな環境下でミスなく業務を遂行できるコミュニケーション能力を兼ね備えた、希少な人材に高い報酬を支払うのです。その給与は、役割に伴う価値とリスクを反映したものであり、単に英語が話せることへの対価ではないのです。

表2:資格の組み合わせ別 キャリア&年収マトリクス(30代想定)

保有資格代表的な職務主な職務内容想定年収(30代)
簿記3級(ベースライン)経理事務伝票起票、経費精算、日次業務補助350万円~450万円
簿記2級企業の経理担当者月次・年次決算、原価計算、財務諸表作成450万円~600万円
簿記2級 + FP2級会計事務所、金融コンサルタント企業の決算・税務に加え、経営者の資産設計、事業承継の相談500万円~700万円
簿記2級 + TOEIC 800点以上外資系企業の財務・経理海外本社へのレポーティング、IFRS/USGAAPでの決算、予算管理700万円~1000万円以上

第4章:あなたの進路を描く:パーソナライズされた意思決定ガイド

これまでの分析を基に、あなたが自身のキャリアパスを選択するための実践的なフレームワークを提示します。

パスA:会計スペシャリストの道(深さ:DEPTH)

  • こんなあなたに: 会計の論理的な整合性や数字の正確性に魅力を感じ、データと向き合うことが好きで、企業内で「この人に聞けば間違いない」と言われるような財務の専門家になりたい方。
  • 推奨アクション: まずは簿記2級の取得を最優先しましょう。これを足がかりに、簿記1級、そして将来的には税理士や公認会計士といった国家資格への挑戦も視野に入れると良いでしょう 。  

パスB:包括的コンサルタントの道(広さ:BREADTH)

  • こんなあなたに: 高いコミュニケーション能力を持ち、クライアントとの信頼関係構築にやりがいを感じる。ビジネスと個人の資産形成の接点に興味がある方。
  • 推奨アクション: まず簿記2級で強固な法人会計の土台を築き、その後速やかにFP2級の取得を目指しましょう。この組み合わせは、中小企業を対象とした経営・資産コンサルティング、保険業界、あるいは独立開業に最適なスキルセットです 。  

パスC:グローバルプロフェッショナルの道(リーチ:REACH)

  • こんなあなたに: 多様性があり、変化の速い環境で働くことに意欲的。多国籍企業で働き、海外出張や赴任のチャンスも掴みたい野心的な方。
  • 推奨アクション: 簿記2級の学習とTOEICのスコアアップを同時並行で進めましょう。英文経理の求人市場で競争力を発揮するためには、会計知識と語学スキルの両方が不可欠であり、どちらか一方だけでは不十分です 。  

結論:簿記3級は、あなたの成長への招待状である

本稿では、簿記3級合格後のキャリアパスとして、「深さ(DEPTH)」「広さ(BREADTH)」「リーチ(REACH)」という3つの戦略的な方向性を示しました。

簿記3級は、決してキャリアの終着点ではありません。むしろ、それはあなたの可能性を無限に広げるための、力強いスタートラインです。最も重要なことは、この成功に満足することなく、学び続け、自己投資を続けることです。会計と金融の世界は常に変化しています。その中で継続的に成長し続けることこそが、やりがいに満ちた豊かな職業人生を築くための唯一の鍵なのです。

この記事が、あなたが次の一歩を自信を持って踏み出すための一助となれば幸いです。

よくある質問(Q&A)

簿記3級取得後、すぐに転職活動をすべきですか?それとも簿記2級を目指すべきですか?

あなたの長期的なキャリアプランによって最適な選択は異なりますが、結論として「実務経験を積みながら簿記2級を目指す」のが最も効率的かつ市場価値を高める戦略と言えます。

簿記3級は会計の基礎知識を証明する重要な資格ですが、転職市場、特に大手企業や専門性の高い経理職の求人では、簿記2級が「実務レベルの知識を持つ」ことの最低ラインと見なされることが一般的です 。簿記2級では、3級の商業簿記に加えて製造業の原価計算を扱う工業簿記が範囲に含まれ、より実践的なスキルが問われるため、企業からの評価が高くなります 。  

しかし、資格以上に企業が重視するのが「実務経験」です。したがって、理想的なアクションプランは、まず簿記3級の資格を評価してくれる会計事務所や中小企業の経理職など、「未経験可」の求人に応募し、キャリアをスタートさせることです 。会計事務所であれば、多様なクライアントの経理に触れながら、将来的に税理士を目指す道筋も立てやすくなります 。企業の経理職であれば、一つの会社の会計フロー全体を深く理解できます。  

そこで1〜2年の実務経験を積み、日々の業務で簿記の知識を実践に落とし込みながら、並行して簿記2級の学習を進める。このアプローチにより、「資格」と「実務経験」という両輪を兼ね備えた、転職市場で高く評価される人材へと成長することが可能です。

未経験で簿記3級しか持っていませんが、どのような仕事に就けますか?年収はどのくらいですか?

未経験かつ簿記3級の資格で現実的に目指せる職種は、主に「会計事務所」「中小企業の経理」「監査法人のアシスタント」の3つが挙げられます。未経験からスタートする場合、初年度の年収は300万円〜400万円程度が一般的な目安となります。

以下に各キャリアパスの特徴をまとめます。

キャリアパス主な職種次に目指す資格想定年収(未経験)特徴
会計事務所税理士補助、記帳代行簿記2級税理士科目300万~400万円  未経験採用が最も多い。税理士を目指す王道ルート。多様な業種のクライアントを担当できる。  
企業経理経理・財務スタッフ簿記2級、MOS、FP300万~400万円  安定性が魅力で人気が高いが競争率も高い。一つの企業の会計に深く関われる。  
監査法人アシスタント監査アシスタント、監査事務簿記2級、TOEIC330万~450万円  穴場求人。給与水準が高く、働きやすい環境が多い。大企業の監査業務に関与できる。  

各職種の詳細:

  • 会計事務所: 求人数が最も多く、未経験者採用に積極的なため、キャリアの第一歩として最適です。記帳代行や税理士の補助業務を通じて、税務の基礎知識と実践スキルを体系的に学ぶことができます 。  
  • 企業の経理: 安定した労働環境から人気が高い職種ですが、その分、未経験者向けの求人は競争率が高い傾向にあります 。日々の仕訳入力、経費精算、月次決算の補助などが主な業務となります。  
  • 監査法人アシスタント: 一般的な知名度は低いですが、公認会計士の監査業務をサポートする事務職で、待遇の良い「穴場」の職種です。資料の整合性チェックやデータ加工作業が中心で、大企業の監査現場に関与できる貴重な経験を積むことができます 。  

年収に関しては、300万円台がスタートラインですが、これはあくまでも入り口の数字です 。実務経験を積みながら簿記2級を取得することで、年収は着実に400万円、500万円以上へと上昇していきます。特に簿記2級取得者の平均年収は、経験を積むことで大きく向上するデータがあります 。  

簿記3級から公認会計士や税理士を目指すのは現実的ですか?

はい、十分に現実的であり、簿記3級の学習はそのための最初の重要な一歩です。多くの公認会計士や税理士が、キャリアの出発点として簿記3級から学習を始めています。

公認会計士への道: 公認会計士試験には、学歴や実務経験などの受験資格の制限が一切ありません 。したがって、理論上は誰でも挑戦することが可能です。   しかし、試験の難易度は極めて高く、その学習範囲は簿記1級のレベルを遥かに超えます。そのため、多くの受験生は、まず簿記1級レベルの会計知識を習得した上で、専門の予備校などで本格的な受験勉強を開始します。ここで重要なのは、公認会計士と税理士の専門分野の違いを理解することです。公認会計士は企業の財務諸表が正しいかをチェックする「監査」の専門家であり、主なクライアントは上場企業などの大企業です。一方、税理士は税金の申告や相談を行う「税務」の専門家で、クライアントは中小企業や個人事業主が中心です 。簿記の学習を進めながら、自分がどちらの専門性に興味を持ち、どのようなクライアントと関わりたいのかを見極めることが、将来のキャリアを選択する上で非常に重要になります。  

税理士への道: 税理士になるためのルートは明確です。まず、簿記3級から2級、そして簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格の一つを得ることができます 。もう一つの主要なルートとして、会計事務所などで   2年以上の実務経験を積むことでも受験資格が得られます 。   そのため、会計事務所で働きながら実務経験を積み、同時に税理士試験の学習を進めるのが王道のキャリアパスとされています 。税理士試験は「科目合格制」を採用しており、一度合格した科目は生涯有効です。そのため、社会人でも数年かけて1科目ずつ着実に合格を積み重ねていくことが可能であり、働きながらでも挑戦しやすい国家資格です 。  


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Sato|元・大手監査法人公認会計士が教える会計実務!

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