目次
簿記3級合格おめでとうございます!公認会計士からのメッセージ
まずは、日商簿記3級の合格、本当におめでとうございます。
仕訳や精算表、財務諸表の作成など、会計の基本的な仕組みを理解するために、多くの時間を費やして学習されたことと思います。合格発表でご自身の番号を見つけた時の達成感は、格別なものがあったのではないでしょうか。
なぜ私が今回この記事を書いているかというと、私自身も、皆さんと同じ「簿記3級の合格」からこのキャリアをスタートさせたからです。あの時の達成感、そして「会計って面白いかもしれない」と感じた高揚感を、今でもよく覚えています。
しかし同時に、合格者の多くが陥ってしまう「落とし穴」があることも、私は知っています。
それは、「簿記3級に合格したことに満足してしまい、学習を止めてしまう」ことです。
簿記3級の知識は、非常に重要です。しかし、それはあくまで「基礎」。
使わなければ、せっかく身につけた知識は驚くほどのスピードで「錆びて」いってしまいます。
この記事では、公認会計士である私が、簿記3級という素晴らしい「スタートライン」に立った皆さんが、その知識を錆びさせるどころか、「本物のキャリアにつながる武器」へと進化させるための、具体的な5つのアクションをご紹介します。
簿記3級最短合格シリーズについて、これまでに記載した記事はこちらになります。
- 簿記3級最短合格(1)簿記3級は意味がないのか?簿記が人生を変える本当の価値を公認会計士が解説
- 簿記3級最短合格(2)【最新版】簿記3級の出題傾向を会計士が徹底解説!合格への最短ルート
- 簿記3級最短合格(3)【簿記の最重要関門】仕訳の基本ルールを完全攻略!初心者でもわかる借方・貸方の覚え方と書き方
- 簿記3級最短合格(4)【公認会計士が徹底解説】売掛金・未収入金・買掛金・未払金の違いとは?|簿記3級の頻出論点を完全マスター
- 簿記3級最短合格(5)【公認会計士が徹底解説】損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の読み方・作り方がスッキリわかる!
- 簿記3級最短合格(6)【完全網羅】簿記3級の決算整理仕訳 全8パターンを徹底解説!初心者でもスッキリわかる具体例つき
- 簿記3級最短合格(7)簿記3級第2問対策!勘定記入・補助簿・伝票を会計士が図解記入と補助簿を公認会計士が図解
- 簿記3級最短合格(8)簿記3級ネット試験の完全ガイド!当日の流れとPC操作・時間配分を公認会計士が体験レポ
- 簿記3級最短合格(9)簿記3級合格で満足はNG!知識を錆びさせずキャリアに繋げる5つのアクション
- 簿記3級最短合格(10)簿記3級は意味ない?公認会計士が教える年収UPキャリア戦略
なぜ「簿記3級で満足」はNGなのか?公認会計士が語る現実
簿記3級で学ぶ知識(仕訳、試算表、財務諸表作成)は、間違いなくビジネスにおける「共通言語」であり、全ての会計学習の土台です。この土台がなければ、何も始まりません。
しかし、あえて厳しい言い方をさせていただくと、簿記3級の知識は、英語学習に例えれば「アルファベットと簡単な挨拶(This is a pen.)」を覚えた段階に過ぎません。
まだ、ビジネスレターを書いたり、専門的な契約書を読んだりできるレベルではないのです。
会計の世界も同じです。
実務で本当に「専門性」を発揮するためには、3級の知識だけでは不十分な場面が必ず訪れます。
ここで一つ、衝撃的なデータをご紹介します。
簿記2級の直近10回の平均合格率は、約20.1%です。一方で、簿記3級の平均合格率は約49.5%です。
簿記2級の受験生のほとんどは、皆さんと同じ簿記3級の合格者です。
つまり、簿記3級に合格した人のうち、次のステップである簿記2級に合格できるのは、約5人に1人しかいない、ということです。
私自身の公認会計士としての経験から見ても、この「簿記2級の壁」を越えられるかどうかが、会計知識が「錆びる」か「武器になる」かの最初の、そして最大の分岐点だと感じています。
簿記3級で得た達成感を「ゴール」にするのではなく、その勢いを借りて、次のステップへ進むことが何よりも重要なのです。
アクション1:簿記2級で「会計の本当の力」を学ぶ(合格率20%の壁)
簿記3級合格者が最初に取り組むべき、最も重要で、最も費用対効果の高いアクションが「簿記2級の取得」です。
簿記2級は、単なる3級の延長ではありません。ここで学ぶ知識こそが、現代のビジネスシーンで求められる「会計の実務能力」の土台となります。
簿記2級最短合格シリーズについての記事はこちらで。
3級と2級の「4つの決定的な違い」
簿記3級と2級には、いくつかの決定的な違いがあります。
- 難易度(合格率の壁)前述の通り、合格率が約50%の3級に対し、2級は約20%と、難易度が格段に上がります。
- 試験範囲(工業簿記の登場)3級は「商業簿記(商品を仕入れて売る)」のみでした。2級では、商業簿記の内容がより高度になる(応用)だけでなく、新たに「工業簿記(原価計算)」が加わります。これは、メーカー(製造業)が「製品を1つ作るのに、いくらかかったか」を計算する技術です。日本の主要産業である製造業を理解する上で、この工業簿記の知識は不可欠です。
- 学習する会計基準(実務への直結)これが最も重要です。簿記2級では、大企業が実際に採用している「最新の会計ルール(会計基準)」に基づいて学習します。
- 社会的な評価キャリアの観点では、「簿記2級以上」を専門職の応募条件とする企業が多いのが現実です。
【重要】簿記2級で学ぶ「収益認識」とは?(設例と基準引用)
「簿記2級は実務的」と言われる最大の理由が、学習する会計基準のレベルにあります。
特に重要なのが「収益認識(しゅうえきにんしき)」というルールです。
日本商工会議所が公表している「出題区分表」(試験範囲のことです)によれば、2025年度の試験にも適用される現行の試験範囲には、「企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」」(以下、収益認識会計基準)が含まれています 。
これは、近年導入された非常に新しい会計基準であり、上場企業が実際に使っている「売上計上の最新ルール」です。
簿記2級は、古い理論ではなく「今、実務で使われている最新の会計」を学ぶ試験に進化したのです。
では、「収益認識」とは何でしょうか?
簡単に言えば、「売上を、いつ、いくら計上するか」を厳密に定めるルールです。
簡単な設例(事例)で見てみましょう。
【設例】
あなたは、月額1,000円の動画配信サービスを運営しています。
本日、Aさんから「1年分(12ヶ月分)の料金12,000円」を現金で受け取り、1年間のサービス利用契約を結びました。
この時、簿記3級レベルの知識だと、お金を受け取った今日、「売上 12,000円」を一度に計上してしまうかもしれません。
(借)現金 12,000 / (貸)売上 12,000
しかし、「収益認識会計基準」の考え方では、これは正しくありません。
なぜなら、あなたはまだAさんに「1年分のサービス」を提供し終えていないからです。
サービス提供という「義務(履行義務)」は、これから12ヶ月かけて少しずつ果たしていくものです。
したがって、売上も、サービスを提供した期間に応じて、少しずつ認識(計上)すべきです。
<収益認識(簿記2級)の考え方に基づく仕訳>
1. 契約時(現金12,000円を受け取った日)
この時点ではまだサービスを提供していないため、「売上」ではなく「契約負債(けいやくふさい)」という負債の勘定科目で処理します。「後でサービスを提供する義務」を負った、という意味です。
(借)現金 12,000 / (貸)契約負債 12,000
(※「前受金」で処理する場合もありますが、ここでは基準の用語に沿って「契約負債」とします)
2. 1ヶ月目の月末(サービスを1ヶ月分、提供し終えた日)
12ヶ月のうち1ヶ月分のサービス提供義務を果たしました。ここで初めて、1ヶ月分の売上(12,000円 ÷ 12ヶ月 = 1,000円)を計上します。
(借)契約負債 1,000 / (貸)売上 1,000
このように、簿記2級では、お金の動き(入金)と売上計上のタイミングを切り離し、「いつ義務を果たしたか」という実態に基づいて会計処理を行う高度な考え方を学びます。
これは、サブスクリプション・ビジネスが普及した現代において、非常に重要なスキルです(企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」)。
アクション2:簿記1級で「会計専門家」の入口に立つ
簿記2級という「合格率20%の壁」を無事に突破できたら、ぜひ目指してほしいのが、簿記検定の最高峰である「日商簿記1級」です。
簿記1級は、公認会計士や税理士といった国家資格への「登竜門」とも言われるハイレベルな資格です。
ここまで来ると、会計知識は「錆びる」どころか、あなたのキャリアにおける「強力な専門性」として認識されます。
簿記1級で学ぶ「連結会計」のインパクト
簿記1級の学習内容は、2級とは比較にならないほど広く、深くなります。
商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目を学びますが、その中でも特にインパクトが大きいのが「連結会計(れんけつかいけい)」です。
皆さんがニュースで目にするトヨタ自動車やソニーグループといった大企業の決算は、その会社「単体」の業績でしょうか?
いいえ、違います。私たちは通常、「トヨタグループ全体」「ソニーグループ全体」の業績を見ています。
現代の大企業は、多くの「子会社」や「関連会社」を持ち、グループ全体で経営を行っています。
この親会社と子会社を「一つの会社」とみなして、グループ全体の財務諸表を作成する技術が「連結会計」です。
これは、上場企業の経理・財務部門で働く上では必須の知識であり、会計専門家にとっての「常識」とも言える重要な分野です(企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」)。
簿記1級が「税理士」への最短ルートになる理由
簿記1級の合格には、それ自体が高度な会計知識の証明になることに加え、もう一つ非常に大きなメリットがあります。
それは、国家資格である「税理士試験」の受験資格が得られることです。
税理士試験は、科目合格制(全11科目のうち5科目に合格すればよい)という特徴があります。
しかし、このうち「税法科目」(法人税法や所得税法など)を受験するためには、一定の受験資格(学識、資格、職歴のいずれか)が必要です。
その「資格による受験資格」の一つが、「日商簿記検定1級合格者」であることなのです。
(出典:国税庁「税理士試験受験資格について」)
大学で特定の単位を取得していない社会人の方が、税理士という国家資格を目指す上で、簿記1級の合格は最も王道かつ最短のルートの一つと言えます。
アクション3:【朗報】税理士試験の「会計科目」は誰でも受験可能!
アクション2で「簿記1級に合格すれば、税理士試験の受験資格が得られる」と説明しました。
しかし、ここで簿記3級合格者の皆さんに、ぜひ知っておいてほしい「制度変更」という名の朗報があります。
それは、税理士試験の一部科目の受験資格が「撤廃」されたことです。
2023年(令和5年度)の税理士試験から、受験資格が大幅に緩和されました。
具体的には、税理士試験の必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」の2科目(これらを「会計科目」と呼びます)について、受験資格が完全になくなったのです。
(出典:国税庁「税理士試験受験資格について」)
これが意味すること:「簿記2級→税理士(会計科目)」ルートの誕生
この制度変更は、簿記3級合格者の皆さんにとって、非常に大きなチャンスです。
つまり、あなたは「簿記1級」に合格するのを待たなくても、簿記3級(または簿記2級)の学習を終えた直後から、すぐに税理士試験の「簿記論」「財務諸表論」に挑戦できるようになったのです。
もちろん、簿記論・財務諸表論の試験内容は、簿記2級よりもはるかに難しく、簿記1級の学習内容と重なる部分も多いため、簿記2級レベルの知識は最低限必要です。
しかし、「1級合格」という高いハードルを越える前に、国家資格の学習をスタートし、科目合格を積み上げられるようになったこと(税理士試験は科目合格が一生有効です)は、キャリアプランを考える上で非常に大きなメリットです。
「簿記論」と「財務諸表論」はどう違う?
「どちらも会計科目なら、何が違うの?」と疑問に思うかもしれません。
この2つは、簿記2級までの「商業簿記」を、異なる側面から深掘りする科目です。
両者の違いを簡単に表にまとめます。
| 比較項目 | 簿記論(ぼきろん) | 財務諸表論(ざいむしょひょうろん) |
| 試験内容 | 計算がメイン(約90%~100%) | 理論がメイン(約50%)、計算(約50%) |
| 問われる力 | 簿記の計算技術。速く、正確に仕訳・集計する力。 | 会計の理論。「なぜその処理をするのか?」というルールや背景の理解力。 |
| 例えるなら | 簿記2級の計算問題を、より速く、より複雑に解く「技術」 | 簿記2級の「ルール(なぜ減価償却するのか等)」を学ぶ「理論」 |
| 学習順序 | 簿記2級の知識が直結するため、入りやすい。 | 「簿記論」と同時並行で学習する、または「簿記論」の後に学習する人が多い。 |
この2科目は学習内容の親和性が高いため、簿記2級の知識を土台に、同時に学習を進める受験生も多くいます。
アクション4:【究極】公認会計士試験も「受験資格ゼロ」という事実
アクション3で「税理士」という国家資格への道が開かれていることをお話ししました。
最後に、私自身(筆者)の専門分野であり、会計・監査の最高峰資格である「公認会計士」への道についてお話しします。
「公認会計士試験」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
「非常に難しい試験」「大学で専門の単位を取っていないと受験すらできないのでは?」
多くの方が、このように「受験資格」に高いハードルがあると誤解しています。
しかし、事実は異なります。
驚かれるかもしれませんが、公認会計士試験にも、受験資格に一切の制限はありません。
税理士試験の会計科目(簿記論・財務諸表論)と同様に、年齢、学歴、国籍、実務経験、そして簿記1級の合格・不合格に関わらず、誰でも挑戦できるのです。
(出典:金融庁 公認会計士・監査審査会「公認会計士試験Q&A」)
簿記3級から公認会計士へのロードマップ
「簿記3級からいきなり公認会計士なんて、無理だ」と思われるかもしれません。
ですが、道は確実に繋がっています。
- 簿記3級で学んだ「仕訳」「試算表」「財務諸表」の知識は、公認会計士試験の最も重要な科目の一つである「財務会計論」の根幹となる土台です。
- 簿記2級で学ぶ「工業簿記(原価計算)」は、公認会計士試験の「管理会計論」に直結します。
実際に、公認会計士試験の学習を始める方の多くが、まずは簿記3級、簿記2級(または簿記1級)の学習からスタートします。
私自身も、大学時代に簿記3級のテキストを開いたところから始まり、簿記2級、簿記1級と学習を進め、その延長線上で公認会計士試験に合格しました。
簿記3級の合格は、会計の最高峰資格である公認会計士という壮大なキャリアへの、間違いなく「第一歩」を踏み出した証拠なのです。
公認会計士のキャリアパスについての記事も参考にしてください。
アクション5:学習を「継続」するための環境整備
ここまで、簿記3級の先にある「上位資格」への4つのアクション(簿記2級、簿記1級、税理士、公認会計士)をご紹介しました。
これらは全て、簿記3級の学習とは比較にならないほどの学習時間と努力を要する、いわば「マラソン」です。
私の公認会計士試験合格までの経験上、この長いマラソンを走り切るために最も重要だったのは、実は「会計知識」そのものよりも「学習を継続できる環境」でした。
簿記3級で得た知識を「錆びさせない」ため、そして「武器」に変えるために、学習を継続する「仕組み」を作ってください。
- 学習仲間の存在今はSNSなどでも、同じ資格を目指す仲間を簡単に見つけることができます。進捗を報告し合ったり、励まし合ったりできる相手がいるだけで、モチベーションの維持は格段にしやすくなります。
- 「仕組み」の活用(専門家の助け)独学での合格は不可能ではありませんが、特に簿記2級の「収益認識」や簿記1級の「連結会計」といった複雑な論点は、一人で理解するには膨大な時間がかかります。そして何より、多くの人が途中で挫折してしまいます。
簿記2級や1級、さらに税理士・公認会計士といった上位資格を目指す場合、試験範囲の広さと深さから、専門のスクール(資格学校)を活用するのが最も効率的です。最新の会計基準や試験傾向を熟知したプロの指導を受けることで、挫折するリスクを大幅に減らすことができます。
まとめ:簿記3級は「可能性の宝庫」。あなたの次の行動が未来を変える
簿記3級の合格、改めておめでとうございます。
その合格は、決して「小さな成功」ではありません。会計という専門分野への「スタートチケット」を手に入れた、素晴らしい成果です。
しかし、そのチケットを使うかどうかは、あなた次第です。
知識は、使わなければ「錆びて」しまいます。
この記事でご紹介した5つのアクションを、ぜひ実行に移してみてください。
- アクション1:簿記2級「最新の実務会計(収益認識)」を学び、合格率20%の壁を越える。
- アクション2:簿記1級「専門家の入口(連結会計)」に立ち、「税理士」への挑戦権を得る。
- アクション3:税理士(会計科目)「受験資格不要」のチャンスを活かし、国家資格の学習をすぐに始める。
- アクション4:公認会計士「受験資格不要」の最高峰に挑戦し、会計キャリアの頂点を目指す。
- アクション5:環境整備長いマラソンを走り切るための「仕組み」を作り、学習を継続する。
公認会計士である私から見ても、簿記3級で学んだ「仕訳」という発明は、全ての会計キャリアの土台です。
その知識を「錆びさせる」ことなく、次の一歩を踏み出すことを、心から応援しています。
次回は、「簿記3級は意味ない?その不安を年収アップに変える正しいキャリア戦略」について詳しく解説していきます。ぜひ、そちらもご覧ください。
よくある質問(Q&A)
簿記3級の知識は、すぐに実務で使えますか?
はい、基礎知識として非常に役立ちます。日々の経費精算や請求書の処理など、実務の場面で取引の全体像を理解する助けになります。ただし、実務では各社の細かいルールや会計ソフトの操作も必要になるため、まずはアシスタント的な業務から知識と実務を結びつけていくのが良いでしょう。
簿記2級は3級と比べてどのくらい難しいですか?
2級では、3級の商業簿記に加えて「工業簿記」が新たに出題範囲となり、学習範囲も深さも格段に広がります。一般的に合格に必要な学習時間は3級の3~4倍と言われています。しかし、3級の知識がしっかり身についていれば、論理的な繋がりを理解しやすいため、計画的に学習を進めることで十分に合格を狙えます。
簿記2級と簿記1級では、どちらがキャリアアップに役立ちますか?
まずは「簿記2級」です。簿記2級は「実務の基礎知識」を網羅しており、このレベルの知識がなければ専門的な業務は難しいでしょう(合格率約20%の壁 が示す通り、ここまででも十分な専門性です)。 簿記1級は、さらに高度な専門職(大企業の経理、公認会計士・税理士 など)を目指すための「登竜門」という位置づけです。まずは2級の合格を確実に目指しましょう。
税理士と公認会計士、どちらを目指すべきか迷います。
これは非常に難しい質問ですが、専門分野が異なります。 税理士は「税務のスペシャリスト」です。税金の計算や申告(独占業務) 、節税コンサルティングが主な業務です。 公認会計士は「監査と会計のスペシャリスト」です。企業の財務諸表が正しいかをチェックする「監査」(独占業務) が主な業務です。 どちらも簿記2級・1級の知識が土台となりますが、キャリアの方向性が異なります。まずは簿記2級・1級の学習を進めながら、ご自身が「税務」と「会計・監査」のどちらにより興味があるかを見極めていくのが良いと思います。
簿記3級に合格しましたが、会計の仕事に興味が持てませんでした。学習は無駄でしたか?
いいえ、まったく無駄ではありません。簿記3級で学んだ「財務諸表(B/S, P/L)を読む力」は、経理担当者でなくても、全てのビジネスパーソンにとって強力な武器になります。 営業職であれば「取引先の経営状況」を財務諸表から読み取れますし、企画職であれば「新規事業の投資対効果」を計算する際にも役立ちます。簿記3級の知識は、会計の専門家にならなくても、あなたのビジネススキルを一段階引き上げてくれる、一生モノの教養です。
数ある転職エージェントの中からいくつかご紹介致します。キャリアアップの参考としてください。
会計、税務、経理・財務のキャリアアップをご検討されている方におすすめのエージェントです。
IPO前企業・有名ベンチャー・上場企業管理部へのキャリアアップをご検討されている方におすすめのエージェントです。
会計、税務、経理・財務分野へのキャリアアップをご検討されている方におすすめのエージェントです。