IPO準備会社においては、ストック・オプションを従業員等に付与している場合が多く、新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)を作成する場合、ストック・オプション注記と株主資本等変動計算書注記の関係について理解することが必要となります。
ストック・オプション又は自社株式オプションとして付与された新株予約権については、ストック・オプション等関係の注記に記載されますが、株主資本等変動計算書注記の「3.新株予約権等に関する事項」の注記では、新株予約権の目的となる株式の種類、新株予約権の目的となる株式の数、は記載は不要であり(財規第108条2項)、当事業年度末残高の金額のみ記載すればよいものとされます。
これは、ストック・オプション又は自社株式オプションの場合、ストック・オプション注記でその詳細内容を記載することから、重複開示を避けるため、株主資本等変動計算書注記では記載は不要であり、株主資本等変動計算書注記で記載する新株予約権は、ストック・オプション又は自社株式オプション「以外」の新株予約権ということになります。
なお,敵対的買収防止策として付与される自社株式オプションについては、権利行使された場合の増加株式数が発行済株式総数に対して重要な影響を与える可能性があることから、新株予約権の注記対象に含まれることになります。