主幹事証券会社の役割
主幹事証券は、IPO準備会社が上場するに際し、株式上場準備作業全般にわたって指導・助言を行う証券会社です。主幹事証券会社の役割として、具体的に下記3つの役割があげられます。
- 上場準備の指導・助言業務
株式上場に向けたスケジュール案の策定、資本政策への助言、株価に影響を与えるビジネスモデルや事業計画への助言、上場に必要な申請書類の作成指導を行います。
- 主幹事証券審査業務
証券取引所に上場申請するには主幹事証券会社からの「推薦状」が必要となることから、IPO準備会社が証券取引所に推薦できる状況であるか確認するため、主幹事証券会社の専門部署による審査を受ける必要があります。
- 株式の引受け業務
IPO に際し主幹事証券は IPO 準備会社の株式を引受け、一般投資家に販売を行います。公開価格の決定は、主幹事証券会社が大部分をコントロールをすることにより、 IPO 準備会社と協議の上決定することとなります。
主幹事証券会社の選び方
主幹事証券会社は、豊富な新規上場実績の経験を有する証券会社を選定することが望ましいものと考えられます。これは、証券取引所審査のポイントに熟知しているのみならず、公開価格の決定に際しより多くの投資家の意向を把握していることから、適切な価格の設定が可能となるためです。
なお、申請会社が多い現状においては、実績のある大手証券会社に引受事務に対応する余力がないことから、自社の業種特有の実態を勘案し、同様の業種において実績のある証券会社を選定することにより、自社の業種に対しスムーズな上場準備のサポートを受けることが可能となります。
なお、本稿の参考となる書籍はこちらをご覧ください。