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【人生を変える】公認会計士キャリアパス全解説|監査法人からFAS、CFOまで年収と働き方を徹底比較

Sato|元・大手監査法人公認会計士が教える会計実務!

Sato|公認会計士| あずさ監査法人、税理士法人、コンサルファームを経て独立。 IPO支援・M&Aを専門とし、企業の成長を財務面からサポート。 このブログでは、実務に役立つ会計・税務・株式投資のノウハウを分かりやすく解説しています。

こんな方におすすめ

  • 監査法人後のキャリアパスに悩む方
  • 年収と働き方を比較検討したい方
  • FASやCFOへの道に興味がある方
  • 会計士資格の価値を最大化したい方

公認会計士の皆様、そして未来の会計士を目指す皆様、こんにちは公認会計士のSatoです。「公認会計士の仕事は、監査法人で企業の決算書をチェックするだけ」。もしかしたら、あなたもそんなイメージをお持ちではないでしょうか?しかし、それは公認会計士という資格が持つ可能性の、ほんの一面に過ぎません。

この資格は、単なる専門職の証明書ではなく、あなたのキャリアの可能性を無限に広げる「パスポート」です。厳しい試験勉強は、そのパスポートを手に入れるための対価と言えるでしょう。この記事では、そのパスポートで渡航できる魅力的な世界の数々を、具体的なデータと私の経験を交えながら、余すところなくお伝えします。

目次

公認会計士は「監査をするだけ」ではない!資格が拓く無限の可能性

公認会計士試験合格者の多くが、キャリアの第一歩として監査法人を選びます。しかし、それはゴールではなく、あくまで多様なキャリアへの出発点です 。監査法人で得た知識と経験を武器に、M&Aの専門家、大企業の経営幹部(CFO)、企業の課題を解決するコンサルタント、そして自らの城を築く独立開業の道など、その選択肢は多岐にわたります 。  

この資格の真の価値は、特定の仕事に就けること以上に、将来にわたって「選べる自由」を手に入れられる点にあります。経済がどう変化しようとも、会計というビジネスの根幹を支えるスキルを持つ専門家は、常に社会から必要とされます。その安定性と選択肢の多さこそが、公認会計士資格が「人生を変える」と言われる所以なのです。

なぜ公認会計士は多様なキャリアを選べるのか?

公認会計士が持つキャリアの多様性は、以下の3つの強固な基盤に基づいています。

  1. 独占業務による安定基盤 上場企業の財務諸表監査は、法律で公認会計士にのみ認められた独占業務です 。これにより、社会における絶対的な需要が確保されており、全ての合格者にとって安定したキャリアのスタートラインが用意されています。  
  2. 経営言語「会計」の専門性 会計は「ビジネスの言語」です。企業の活動はすべて数字で表現され、その数字を読み解き、分析し、未来を予測する能力は、あらゆる組織で求められます。公認会計士は、この言語を最も深く理解する専門家であり、そのスキルは業界や国境を越えて通用します。
  3. 社会的な信用の高さ 公認会計士という資格は、厳しい国家試験と実務要件を経て登録されるものであり、高度な専門知識と高い倫理観の証明です 。この社会的な信用が、経営の中枢に関わるポジションや、企業の命運を左右する重要なプロジェクトへの扉を開きます。  

【キャリアパス比較表】監査法人、FAS、コンサル、事業会社、独立…あなたに合うのはどれ?

あなたの10年後の姿を具体的にイメージするために、まずは5つの代表的なキャリアパスを一覧で比較してみましょう。年収、働きがい、ワークライフバランス(WLB)など、あなたが重視するポイントはどれでしょうか。

キャリアパス年収レンジ(目安)働きがい・魅力ワークライフバランス (WLB)求められるスキル
1. 監査法人500万円~1,500万円+経済の根幹を支える安定性、全てのキャリアの基礎を築く△ (繁忙期は月80-100h残業も) 監査手続、会計基準の正確な知識
2. FAS・アドバイザリー700万円~4,000万円+M&Aというダイナミックな案件、成果に応じた高い報酬× (激務。月60-80h超の残業が常態化) 財務モデリング、企業価値評価、交渉力
3. 事業会社(インハウス)600万円~2,000万円+経営の中枢で意思決定に関与、CFOを目指せる◎ (比較的安定、残業は月20-40h程度) 事業理解、管理会計、リーダーシップ
4. コンサルティングファーム600万円~3,000万円+企業の課題解決、知的好奇心を満たす多様なプロジェクト×~△ (プロジェクトにより変動大) 論理的思考力、問題解決能力、仮説検証力
5. 独立開業1,000万円~青天井究極の自由と裁量、自分の城を築くアントレプレナー精神○ (自己管理次第でコントロール可能) 税務知識、営業力、人脈構築力

注:年収は経験、役職、企業規模により大きく変動します。上記は各種公開情報や求人情報から算出した一般的な目安です 。  


1. 監査法人:キャリアの王道とパートナーへの道

監査法人は、ほとんどの公認会計士が最初に経験を積む場所であり、キャリアの「王道」です。ここでは、会計監査のプロフェッショナルとして、日本を代表する大企業の財務の健全性を担保するという、社会的に極めて重要な役割を担います。

Big4と中小監査法人の違いとは?

監査法人と一括りに言っても、その規模によって特徴は大きく異なります。

  • Big4監査法人:世界的なネットワークを持つ4大監査法人(PwC、デロイト、KPMG、EY)を指します。クライアントは主に大規模な上場企業であり、グローバル案件や最先端の会計基準に触れる機会が豊富です 。研修制度が体系化されている一方、パートナーへの昇進は非常に競争が激しいです 。  
  • 中小監査法人:クライアントは中堅・中小企業やIPO準備会社が中心です。監査だけでなく、税務やコンサルティングなど、より幅広い業務を経験できる可能性があります 。Big4に比べてパートナーになれる可能性が比較的高く、30代でパートナーに就任するケースも珍しくありません 。ワークライフバランスを重視しやすい傾向もあります 。  

監査法人での年収推移と昇進モデル

監査法人のキャリアパスは、明確な階層(ラダー)で構成されています。昇進とともに年収も着実に上昇していくのが特徴です。

  • スタッフ (1~3年目): 年収 500万円~600万円程度 。監査手続の基礎を学び、チームの一員として実務を担当します。  
  • シニアスタッフ (4~8年目): 年収 600万円~850万円程度 。現場の主査(インチャージ)としてチームをまとめ、クライアントとの窓口役も担います。  
  • マネージャー (9年目~): 年収 900万円~1,200万円程度 。複数の監査チームを管理し、監査計画の策定から最終的な監査意見の形成まで、大きな責任を持ちます。この頃には年収1,000万円を超えることが一般的です 。  
  • シニアマネージャー: 年収 1,200万円~1,500万円程度 。パートナー候補として、法人の経営や新規クライアントの獲得にも関与します。  
  • パートナー: 年収 1,500万円以上 。監査法人の共同経営者であり、監査報告書にサインをする最終責任者です。年収は数千万円に達することもあります 。  

試験知識の活かし方:『監査論』『財務会計論』

試験勉強で学んだ知識が、最もダイレクトに活かされるのが監査法人です。『監査論』で学んだ監査基準やリスク・アプローチの考え方は、日々の監査計画立案や手続実施の理論的支柱となります。また、『財務会計論』の深い知識は、複雑な会計処理の妥当性を判断する上で不可欠な武器となります。


2. FAS・アドバイザリー:M&Aのプロフェッショナル

監査法人で数年の経験を積んだ会計士に人気のキャリアパスが、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)です。企業の合併・買収(M&A)や事業再生といった、企業の将来を左右するダイナミックな案件の最前線で活躍します。

FASの具体的な仕事内容:デューデリジェンスから企業価値評価まで

FASの主な仕事は、M&Aのプロセスにおける財務面の専門家としてアドバイスを提供することです。

  • 財務デューデリジェンス(DD): 買収対象企業の財務状況を精査し、隠れたリスク(簿外債務など)や問題点を洗い出す業務です。いわば「企業の健康診断」であり、M&Aの意思決定における重要な情報を提供します 。  
  • バリュエーション(企業価値評価): DCF法などの専門的な手法を用いて、買収対象企業の「値段」を算定します。買収価格交渉の基礎となる、極めて専門性の高い業務です 。  

監査が過去の財務諸表の「正しさ」を検証する仕事であるのに対し、FASは未来の価値を算定し、将来のビジネスリスクを評価する、より未来志向の仕事です。この視点の転換は、会計士としての大きな成長を促します。

求められるスキルと激務のリアル

FASは非常に高い報酬が期待できる一方で、その働き方は「激務」として知られています 。  

  • 労働時間: プロジェクトの納期が非常にタイトなため、繁忙期には月間の残業が80時間を超えることも珍しくありません 。深夜までの残業や休日出勤も常態化しやすい環境です 。  
  • プレッシャー: 数十億、数百億円規模のディールに関わるため、一つのミスがクライアントに与える影響は計り知れません。その精神的なプレッシャーは監査業務の比ではありません 。  
  • 求められるスキル: 高度なExcelスキル(財務モデリング)、分析能力、そしてクライアントや弁護士など多様な関係者と渡り合う高いコミュニケーション能力が求められます 。  

試験知識の活かし方:『財務会計論』『企業法』

財務DDでは、企業の財務諸表を隅々まで分析するため、『財務会計論』で学んだ連結会計や企業結合会計の知識が直接的に役立ちます 。また、M&Aの取引は会社法に則って進められるため、『企業法』の知識はディールの構造を理解し、法的なリスクを把握する上で不可欠です。  


3. 事業会社(インハウス):経営の中枢を担うCFO候補

監査法人やFASといったプロフェッショナルファームとは異なり、特定の企業に所属してその成長に内部から貢献する道が事業会社(インハウス)です。組織内会計士とも呼ばれ、近年非常に人気の高いキャリアパスです。

経理、経営企画、内部監査…部署ごとの役割と魅力

事業会社では、会計士の専門性を活かせる多様な部署が存在します 。  

  • 経理・財務: 決算業務、開示資料作成、資金調達など、企業の財務活動の根幹を担います。会計士としての専門知識を最も活かせる部署です。
  • 経営企画: 中長期的な経営戦略の立案、予算策定、新規事業の検討など、経営陣の意思決定を直接サポートする「参謀」役です。
  • 内部監査: 会社の業務プロセスや内部統制が適切に機能しているかを、社内の独立した立場から検証・評価します。監査法人での経験が直接活きる職務です。
  • IPO準備: 成長企業が株式上場(IPO)を目指す際に、証券会社や監査法人と連携し、上場に耐えうる管理体制を構築する重要な役割を担います。

事業会社で働く会計士の年収とワークライフバランス

事業会社への転職は、多くの会計士にとってワークライフバランスを劇的に改善する選択肢となります 。  

  • ワークライフバランス: 監査法人のような極端な繁忙期は少なく、残業時間も月20~40時間程度に収まることが多いため、プライベートの時間を確保しやすくなります 。  
  • 年収: 監査法人から転職する場合、同等か一時的に下がるケースもありますが 、経理部長やCFO(最高財務責任者)といった経営幹部に昇進すれば、年収2,000万円以上を目指すことも可能です 。安定した環境で長期的なキャリアを築きながら、高年収を実現できるのが魅力です。  

試験知識の活かし方:『管理会計論』『財務会計論』

経営企画や経理部では、『管理会計論』で学んだ予算管理、原価計算、業績評価といった知識が日々の業務に直結します。企業の意思決定の質を高める上で、管理会計の視点は不可欠です。もちろん、経理業務の基礎となるのは『財務会計論』の知識です。


4. コンサルティングファーム:企業の課題解決を導く戦略家

公認会計士の持つ高度な分析能力と論理的思考力は、企業の経営課題を解決するコンサルティングファームでも高く評価されます。知的好奇心が旺盛で、多様な業界の問題解決に挑戦したい人に向いています。

戦略コンサルと会計系コンサルの違い

コンサルティングファームは、その専門領域によって大きく分けられます 。  

  • 戦略コンサルティングファーム: 「全社成長戦略の策定」「新規事業への参入」といった、企業の経営トップが抱える最重要課題に取り組みます。会計士の専門性が直接活きる場面は少ないですが、地頭の良さや思考力が問われるため、挑戦する会計士もいます。年収はコンサル業界の中でもトップクラスです 。  
  • 会計・財務系コンサルティングファーム: 「決算早期化」「内部統制の構築」「IFRS導入支援」など、会計・財務領域に特化したコンサルティングを提供します。会計士の知識や経験を直接活かすことができ、親和性が非常に高いキャリアです 。  

公認会計士がコンサルで評価される理由

コンサルタントには、クライアント企業の経営陣を納得させるだけの説得力が求められます。公認会計士という資格は、その説得力を裏付ける「信用のショートカット」として機能します。若手のコンサルタントであっても、会計の専門家という裏付けがあることで、経験豊富な経営者と対等に議論し、提言を受け入れてもらいやすくなるのです 。数字に基づいたファクトベースの分析力は、コンサルティングのあらゆる場面で強力な武器となります。  

試験知識の活かし方:『管理会計論』

特に会計系コンサルティングでは、『管理会計論』の知識が非常に重要です 。クライアント企業の業務プロセスを分析し、コスト削減や収益性向上のための具体的な施策を提言する際に、管理会計のフレームワークが思考の土台となります。  


5. 独立開業:自分の城を築くアントレプレナー

組織に属さず、自らの才覚で道を切り拓く。独立開業は、公認会計士が選択できるキャリアの中で、最も自由度と裁量権が大きい選択肢です。

独立会計士のリアルな年収と仕事内容

独立後の年収は、まさに「青天井」です。成功すれば年収3,000万円、あるいはそれ以上を稼ぐことも夢ではありません 。しかし、その収入は保証されたものではなく、全ては自らの営業力と実力にかかっています。  

仕事内容は非常に多岐にわたります 。  

  • 税務顧問・申告業務
  • 会計・経営コンサルティング
  • IPOやM&Aの支援
  • ベンチャー企業の社外CFO、社外監査役
  • 監査法人の非常勤スタッフ(安定収入の確保)

独立成功に必要な「税務」の知識

独立開業を成功させる上で、避けては通れないのが「税務」の知識です 。公認会計士は税理士登録をすることで、税理士の独占業務である税務相談や申告代理を行うことができます 。クライアントにとって最も身近で継続的なニーズは税務に関するものであるため、安定した収益基盤を築くためには税務サービスを提供できることが極めて重要になります 。  

試験知識の活かし方:全科目の総合力

独立開業は、試験で学んだ全ての知識を総動員する、まさに総合力が試される舞台です。クライアントの会計処理を指導する際には『財務会計論』が、経営相談に乗る際には『管理会計論』が、法人設立の相談には『企業法』が、そして主要なサービスを提供する際には『租税法』の知識が求められます。自らが事務所の経営者として、全ての意思決定を下していくことになります。


まとめ:公認会計士資格は、あなたのキャリアの可能性を最大化する最強の武器

ここまで見てきたように、公認会計士のキャリアは監査法人から始まり、実に多様な道へと続いています。どの道を選ぶかは、あなたの価値観や興味、そしてライフプラン次第です。

今、あなたは合格という高い壁に向かって、日々奮闘していることでしょう。その道のりは決して楽なものではありません。しかし、その先には、ここで紹介したような、刺激的で、やりがいがあり、そして経済的にも恵まれたキャリアの選択肢が広がっています。

公認会計士の資格は、一度取得すれば一生ものの財産です。それはあなたの努力と能力を社会に証明し、あなたのキャリアの可能性を最大化してくれる「最強の武器」となるでしょう。

あなたの挑戦を心から応援しています。

よくある質問(Q&A)

FASやコンサルは「激務」と聞きますが、実際どのくらい大変ですか?

はい、特にM&A案件などの繁忙期には月80時間を超える残業が発生することもあります 。企業の将来を左右する重要なプロジェクトに関わるため、高いプレッシャーが伴いますが、その分、高年収と他では得られない経験という大きなリターンが期待できます 。近年は働き方改革を進めるファームも増えているため 、転職の際はエージェントなどを通じて個別の労働環境を確認することが重要です。

事業会社に転職すると年収が下がると聞きましたが、本当ですか?

ワークライフバランスを重視して転職する場合、一時的に年収が下がるケースはあります 。しかし、経理部長やCFO(最高財務責任者)といった経営幹部へのキャリアパスを歩むことで、長期的には監査法人時代を大きく上回る年収(2,000万円以上)を目指すことも可能です 。安定した環境で経営の中枢に関われる点が事業会社の大きな魅力です。

監査法人以外のキャリアに興味がありますが、何から始めれば良いでしょうか?

まずは、公認会計士専門の転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談することをお勧めします。すぐに転職するつもりがなくても、自身の市場価値や非公開求人を含む多様な選択肢を知ることができます 。客観的なアドバイスを受けることで、この記事で紹介したキャリアパスの中から、ご自身の希望に最も合う道筋を具体的に描くための第一歩になります。


数ある専門学校、転職エージェントの中からいくつかご紹介致します。キャリアアップのご参考として頂けますと幸いです。

簿記検定、公認会計士、米国公認会計士、税理士の資格取得をご検討されている方

資格の学校TAC

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大原学園 専門課程

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