4.税務

仕掛品、建設仮勘定の消費税の計上時期について

仕掛品や建設仮勘定の消費税の計上時期ですが、材料等を購入した時や外注費の支払いを行った時でしょうか?それとも、売上高の計上や建設仮勘定の対象となる固定資産等の引渡を受けた時でしょうか?

実際の経理処理においては、少し迷うところであると思いますので解説いたします。

消費税法上の課税仕入れの時期

消費税法上、仕入税額控除は、課税仕入れを行った日に行うこととされ、課税仕入れを行った日とは、資産の譲受けや借受けをした日または役務の提供を受けた日となります。

つまり、消費税法上は、材料等を購入した時点で「役務の提供」は完了していることから「課税仕入として認められ」、売上高の計上の有無にかかわらず、材料等を購入した時点で「仕入税額控除が可能」となります

期末仕掛品への振り替えは税抜きで行う

材料等を購入した時点で「仕入税額控除が可能」となりましたが、決算期末に未売上の状況であった場合には、決算整理仕訳で材料費や外注費は仕掛品に振り替える必要がありますが、決算期末に仕掛品に振り替える仕訳の金額は、会社が税抜処理をしている場合には、「税抜き」で振替を行うことになります

具体的に、材料等購入時に仕入金額に対して「仮払消費税を計上」して、決算期末に「税抜き」で、仕掛品の消費税は「対象外」として振り替えることになります。

仮に、仕掛品の消費税を「課税取引」として仕訳を行った場合には、材料等を購入した時に計上した仮払消費税が相殺されてしまうことから、材料等を購入した時点で「仕入税額控除が受けられない」ことになってしまいます。

建設仮勘定の消費税の計上時期は?

建設仮勘定についても、仕掛品と同様に、仕入税額控除は、資産の譲受けや借受けをした日または役務の提供を受けた日となります。

そのため、建設仮勘定に含まれる「資材購入費、外注費、設計料等」は、役務の提供が完了していることから、課税仕入を行った日に仕入税額控除が可能となります。

一方で、工事の中間金や着手金等の前渡金を支払った場合、支払時点では、まだ目的物の引渡しや役務の提供は完了していないことから「仕入税額控除はできない」ことになります。

この場合、前渡金支払い時には建設仮勘定の消費税は「不課税」として処理し、目的物の引渡しや役務の提供が完了した時点で、固定資産勘定に「課税取引」として振り替え、仮払消費税を計上することにより、仕入税額控除を受けることになります。

なお、建設仮勘定に含まれる「資材購入費、外注費、設計料等」については、都度仕入税額控除することが煩雑であれば、継続適用を要件に、目的物のすべての引渡しや役務の提供が完了した時点で、課税仕入として仕入税額控除を受ける処理をする方法も認められております。

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